お金を出してくれない男は価値がない。仲のいいいとこから、そう言われた。悪気はない。心配してくれているのもわかる。それでも、モヤモヤが残る。携帯代を彼氏に払わせて、その分いい化粧品を買えばいい。その考えに、どうしても頷けない。私の感覚のほうが、甘いのだろうか。恋愛相談の現場で、この種の揺れを受け取ることは多い。
依存したくない、対等でいたい
これは、お金を軽視しているのではない。お金の役割を、正確に位置づけている。甘い人は、経済力を一切考えない。あなたは、考えたうえで、依存とは違う形を選んでいる。
あなたは、お金を無視しているわけではない
お金や経済力が大切なのは理解している。
相手に経済観念がまったくなくていい、とは思っていない。ヒモやニートを望んでいるわけでもない。
あなたが共感できないのは、お金を出してくれる=価値がある、という一点だけだ。お金そのものを否定しているのではない。
甘い、という言葉を、自分に貼らない
甘いのではないか、と自分を疑うのは、親戚の声が繰り返し届いているからだ。近い人から何度も言われると、自分の感覚のほうがずれているように感じてくる。
でも、繰り返し言われたことが、正しいとは限らない。頻度は、正しさの証拠ではない。
あなたの感覚は、あなたの中で筋が通っている。依存したくないから、個人的な支出は自分で払いたい。これは、一貫した考え方だ。
経済力と人柄は、二択ではない
あなたは、経済力と人柄のバランスをどう考えるか、と問うた。この問いを、少し組み替えたい。
経済力か、人柄か。この二択で考えると、答えが出にくくなる。実際には、二択ではないからだ。
見ているものが、そもそも違う
経済力は、その人が今いくら持っているか、いくら稼ぐか、という数字だ。
人柄や誠実さは、その人がお金をどう使うか、困ったときにどう振る舞うか、という姿勢だ。
この二つは、対立するものではない。別の面を見ている。だから、どちらが大事か、と比べるより、両方を、それぞれ見ればいい。
お金の使い方に、人柄が出る
実は、この二つは、つながっている場所がある。
その人が、お金をどう使うか。そこに、人柄が出る。自分にだけ使う人なのか、周りにも配れる人なのか。見栄で使う人なのか、必要なところに使う人なのか。お金への向き合い方は、その人の誠実さの、一つの表れだ。
だから、経済力を見るとき、いくら持っているか、だけでなく、どう使うか、を見ると、人柄も一緒に見えてくる。数字と姿勢は、別々に見るのではなく、重ねて見るといい。
あなたが大事にしたいものを、軸にしていい
人柄、価値観、誠実さを、二の次にしたくない。
それを、軸にしていい。経済力は、その軸の中で、最低限のラインを満たしているか、というチェック項目にすればいい。稼ぎの多さを一番上に置かなくても、働く意欲があり、生活力があるか、を確認すれば足りる。
何を一番上に置くかは、あなたが決めていい。親戚は、経済力を一番上に置いた。あなたは、誠実さを一番上に置く。どちらも、選び方の一つだ。
携帯代を彼氏に払わせるかどうか
携帯代は彼氏に払わせればいい、と言ったがそれは対等ではない気がする、と感じた。
この感覚について、見ていく。
あなたの感覚は、対等さを大事にしている
個人的な支出を彼氏に払わせるのは、対等な関係とは言えない。あなたは、そう書いた。
この感覚は、依存を避けたい、という価値観から来ている。自分のものは自分で払う。そのほうが、対等でいられる。あなたは、そういう関係を望んでいる。
これは、正しい感覚だ。そして、多くの人が、同じように感じている。デート代を出してもらうことはあっても、携帯代のような固定の個人支出まで払わせるのは、依存に近づく、と感じる人は少なくない。
いとこの考えも、一つの立場ではある
一方で、いとこの考えが、完全に間違っているわけでもない。
払える側が払い、その分もう片方が別のことにお金を回す。これを、役割分担と捉える考え方もある。特に、相手に十分な経済力があり、それを本人も望んでいる場合は、そういう形が成り立つこともある。
いとこは、そういう関係を良しとしている。それは、いとこの選び方だ。あなたが従う必要はないが、間違いだと断じる必要もない。
どちらを選ぶかは、あなたと相手で決めること
大事なのは、世間の正解ではなく、あなたと、あなたの相手が、納得できる形かどうかだ。
あなたは、対等に払い合う関係を望んでいる。それなら、そういう相手を選び、そういう形を作ればいい。いとこのやり方が合う人は、そのやり方を選べばいい。
お金の分担に、唯一の正解はない。二人が納得していれば、それが正解になる。
親戚が繰り返し言う理由を、少し見てみる
あなたは、親戚に悪気はなく、心配してのことだろう、と書いた。その見方は、たぶん当たっている。少しだけ、掘り下げておく。
心配の形が、お金の話になっている
あなたは、恋愛経験が少なかった。初めての彼氏がいて、それ以前はアイドルに本気だった時期もあった。
親戚は、それを知っていて、あなたが変な相手に引っかからないか、心配した。その心配が、お金の話、という形で出てきた。
ヒモやニートに引っかかるな、というのは、極端な言い方だけれど、根っこには、あなたに苦労してほしくない、という気持ちがある。言葉は強いが、動機は、あなたへの愛情だ。
裕福な家庭で育った人の、一つの物差し
親戚には、裕福な家庭で育った人が多い、とあなたは書いた。
裕福な環境で育つと、経済力を、人を測る物差しの一つとして、自然に使うようになることがある。それが、良い悪いではなく、その人たちの育った環境から来る、一つの見方だ。
あなたは、違う物差しを持っている。それは、あなたが間違っているのでも、親戚が間違っているのでもない。育った環境や経験が違えば、物差しも違ってくる。
心配は受け取り、判断は自分でする
親戚の言葉を、全部はねのける必要はない。心配してくれている、という部分は、受け取っていい。
ただ、どういう相手を選ぶか、という判断は、あなたがする。心配はありがたく聞き、選択は自分でする。この二つを、分けておくといい。
親戚は、あなたの人生を生きるわけではない。あなたが選んだ相手と暮らすのは、あなただ。
子どもを持たない前提も、あなたの判断材料になる
あなたは、結婚願望はあるが、今のところ子どもを持つ予定はない、と書いた。この点も、あなたの価値観を支える材料になる。
高収入を最優先にしない理由が、あなたにはある
相手に高収入を強く求める理由の一つは、子どもを育てる費用だ。教育費や、片方が働けない時期の生活費。それを見越して、経済力を重視する、という考え方がある。
あなたは、今のところ子どもを持つ予定がない。だから、その理由が、あなたには当てはまりにくい。
二人が働いて、それぞれ生活できるなら、どちらかが極端に高収入である必要は、あなたの場合、薄い。あなたが、高収入だけを求める必要を感じない、というのは、あなたの人生設計から見て、筋が通っている。
あなたの設計に合う相手を、選べばいい
親戚の物差しは、子どもを持ち、片方が家庭に入る、という設計を前提にしているかもしれない。
でも、あなたの設計は、それとは違う。二人で働き、対等に分担する。子どもは、今のところ考えていない。その設計に合う相手は、高収入の人とは限らない。
自分の人生設計に合う相手を選ぶ。それは、甘いのではなく、現実的だ。
ただし、設計は変わることもある
一点だけ。今は子どもを持つ予定がなくても、将来、気持ちが変わることはある。相手ができて、変わることもある。
だから、今の設計に完全に縛られる必要もない。今はこう考えている、というくらいの柔らかさで持っておくと、将来、気持ちが変わったときにも、対応しやすい。これは、今の判断を否定する話ではなく、余白を残しておく、という程度の話だ。
恋愛や結婚に、経済力と人柄の、正しいバランスというものはない。子どもを望み、経済力を重視する人がいる。対等な分担を望み、誠実さを重視する人がいる。どちらも、その人の人生に合った選び方だ。
あなたは、依存せず、対等でいたい、と考えている。その考えは、甘くない。筋が通っていて、あなたの人生設計にも合っている。親戚の心配は受け取りつつ、どういう相手を選ぶかは、あなたが決めていい。あなたの物差しを、他の誰かの物差しに、持ち替えなくていい。
FAQ
私の考え方は、世間から見て甘いですか
甘くない。あなたは、お金を軽視しているのではなく、依存とは違う形を選んでいる。最低限の生活力や働く意欲は大切だ、とも書いている。お金の役割を、正確に位置づけている。
経済力と人柄、どちらを優先すべきですか
二択で考えないほうがいい。経済力は、いくら持っているか、という数字。人柄は、お金をどう使うか、という姿勢。別の面を見ている。そして、お金の使い方には人柄が出るので、二つは重ねて見られる。何を軸にするかは、あなたが決めていい。
携帯代を彼氏に払わせるのは、普通ですか
唯一の正解はない。あなたは、個人的な支出は自分で払い、対等でいたい、と考えている。この感覚を持つ人は多い。一方、払える側が払う、という分担を選ぶ人もいる。二人が納得していれば、どちらでもいい。
お金を出してくれる男が価値がある、という考えは一般的ですか
一つの立場ではあるが、全員がそう考えているわけではない。特に、裕福な環境で育つと、経済力を人を測る物差しにしやすい傾向はある。ただ、育った環境が違えば、物差しも違う。あなたが共感できないのは、自然なことだ。
親戚が繰り返し言ってくるのは、なぜですか
心配の形が、お金の話になっている。あなたの恋愛経験が少ないことを知っていて、変な相手に引っかからないか案じている。言葉は強いが、動機は愛情だ。心配は受け取り、相手を選ぶ判断は自分でする。この二つを分けておくといい。
子どもを持たない場合、相手に高収入を求めなくていいですか
あなたの人生設計から見れば、筋が通っている。高収入を重視する理由の一つは子育て費用で、それがあなたには当てはまりにくい。二人で働き対等に分担するなら、極端な高収入は必須ではない。ただ、設計は将来変わることもあるので、余白は残しておくといい。

